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腰下肢痛について②

腰下肢痛は、日常生活において非常に不快な症状であり、その原因や治療法を正しく理解することは重要です。特に、椎間板ヘルニアはその一因として挙げられます。この記事では、腰下肢痛の原因や症状、診断方法から治療法、予後まで、詳細に解説します。

【原因】 腰下肢痛の主な原因の一つとして、椎間板ヘルニアがあります。椎間板は、脊椎の骨と骨の間にあるクッションのような役割を果たし、その中には髄核と呼ばれるゼリー状の物質が含まれています。加齢や負担の増加により、椎間板は変性し、繊維輪に亀裂が生じることがあります。この亀裂から髄核が出て、神経や脊髄を圧迫し、腰から下肢にかけて痛みを引き起こすことがあります。

【症状】 腰下肢痛の症状には、腰痛や足のしびれ、痺れ、下肢の筋力低下などが挙げられます。症状の程度は個人によって異なりますが、特に20~40代の男性に好発しやすい傾向があります。痛みやしびれは腰から始まり、足にまで放射状に広がることがあります。

【診断と治療】 腰下肢痛の診断には、患者さんの症状を詳しく聞き取るとともに、理学検査や画像検査(X線、MRIなど)が行われます。治療は、急性期では安静が重要です。慢性化した場合には、腹筋などの筋力トレーニングや物理療法が効果的です。一部の患者さんには手術が必要になることもありますが、保存的療法が十分な効果をもたらすこともあります。

【予後】 近年の研究では、CTやMRIでの観察で、ヘルニアが自然消退する例が増えています。また、症状が疼痛だけのものでは、長期予後は80%は良好です。保存的療法と手術的療法の成績を比較すると治療後1年以内は手術の方が良好であるが、4年以上経過すると両者の差は無くなります。ただし、免疫機構やヘルニアの部分の代謝が悪い場合は、自然消退しないこともあります。

自然治癒が期待されるため、鍼灸治療による免疫機能の賦活や血行改善、筋緊張の緩和により効果が期待されます。

【鍼灸治療の効果】 鍼灸治療は、全身の免疫機能を高め、血行を改善し、局所の筋緊張を緩和することで、腰下肢痛の緩和に効果があるとされています。全身調整のツボとしては、足三里、陽陵泉、三陰交、曲池などが挙げられます。局所治療には、腎兪、大腸兪、志室などのツボが用いられます。

【まとめ】 腰下肢痛は、日常生活に支障をきたすことがありますが、適切な知識と治療法により、その症状を和らげることができます。症状が続く場合は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。自分に合った方法を見つけて、健康な生活を送るための一歩を踏み出しましょう。