なんとなく体調が悪い…それ、不定愁訴かもしれません
最近、「なんとなく体調が悪い」「疲れが取れない」「夜よく眠れない」と感じることはありませんか?そういった症状が続くものの、病院で検査を受けても特に異常が見つからない場合、その状態は「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれます。この不定愁訴は、多くの人が悩む現代の健康問題の一つであり、症状は多岐にわたります。
例えば、慢性的な疲労感やだるさ、頭痛、めまい、冷えやのぼせ、耳鳴り、動悸などが現れることが多く、それらが重なることもあります。一人ひとりの症状が異なるため、非常に個別性が高いのが特徴です。また、不定愁訴の原因は多岐にわたり、生活習慣の乱れ、運動不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が影響していることがあります。
特に女性は、ホルモンバランスの影響を受けやすい傾向があります。生理周期の変動により、心身が不安定になりやすく、生理前に体調が優れないという経験を持つ人も少なくありません。例えば、イライラしたり、頭痛やむくみ、さらには冷えを感じることがあるかもしれません。
鍼灸治療で不定愁訴を整える
「なんとなく体がだるい」「疲れが抜けない」「眠りが浅い」このような状態は東洋医学では「気血両虚」として捉えられます。
東洋医学の視点では、不定愁訴の原因は「気」「血」「水」のバランスが崩れた結果、体に現れると考えます。例えば、疲れやすさやだるさは「気」が不足している状態、冷えやのぼせは「血」が滞っている状態、むくみや頭重感は「水」が溜まっている状態などが関連しています。このように、体内のエネルギーの巡りがうまくいかないことが、不定愁訴のさまざまな症状を引き起こします。
特に女性の場合、ホルモンバランスの影響を受けやすく、「血」の滞りや「気」の不足が原因で不調が現れやすくなります。生理前のPMS(月経前症候群)や、更年期の症状は典型的な例です。東洋医学では、これらの症状も「気」「血」「水」のバランスの崩れとして診断し、全身の調和を目指した治療を行います。
不定愁訴の原因は「気」「血」「水」の乱れ
東洋医学では、体の調子を整えるために、まず「気」「血」「水」のバランスを回復させることが大切だとされています。例えば、デスクワークやストレスの多い生活では「気」が滞り、体全体に疲労感が出たり、肩こりや頭痛を引き起こしたりします。また、女性は「血」が不足しやすく、冷えや肌荒れ、月経不順などの症状が出やすいです。
男性も最近では、PC作業やストレスにより「気」の滞りが増え、不眠や肩こり、冷えといった不調を訴えることが増えてきています。「気」「血」「水」の流れを整えることで、これらの不定愁訴を改善し、体の調子を整えることができます。
鍼灸で「気」「血」「水」のバランスを整える
鍼灸治療は、東洋医学に基づき、「気」「血」「水」のバランスを整え、自律神経の働きを正常化することで、不定愁訴の改善に大変効果的です。鍼灸は、経絡にあるツボを刺激して、滞っている「気」を流し、体内のエネルギー循環を促進します。これにより、体の自然治癒力が高まり、心身の調和が取れた状態に導きます。
例えば、慢性的な疲れやストレスによる「気」の滞りには、特定の経絡やツボを刺激して気の流れを整え、エネルギーの循環をスムーズにします。また、血行不良や冷えなどの症状には、温灸を使い「血」の巡りを良くすることで、症状の改善が期待できます。
もし、なんとなく体調が優れないと感じたら、東洋医学のアプローチである鍼灸を試してみてはいかがでしょうか?鍼灸は、全身のバランスを整え、自然な治癒力を引き出す治療法です。気軽に受けることができ、体と心の両方をケアすることで、不定愁訴に悩む方々にとって、健康の回復をサポートしてくれます。