30年間続いた下痢が改善へ|冷えと体調を見直しながら取り組んだ60代女性の症例紹介

患者様の悩み・施術内容

患者様情報

  • 年齢・性別:60代・女性
  • 主な症状:下痢
  • お悩み:30年間続く下痢

来院時の状態

患者様は、30年前の出産後から下痢が続くようになり、ご来院されました。

便の回数は1日に3〜5回で、下痢のたびに腹痛を伴うことが多く、外出時にも常にトイレを気にしながら生活されていました。

特に夏場は冷房の効いた室内に入ると症状が悪化しやすく、「体が冷えるとすぐにお腹を壊してしまう」と感じておられました。また、もともと冷え性があり、今年の夏は例年以上に症状が強くなったため、改善を希望して当院を受診されました。

これまで長期間症状が続いていたことから、不安を抱えながら生活されていました。

当院で行った施術

問診では、症状が始まった時期や悪化しやすい状況、便の状態、腹痛の有無、生活習慣などを詳しく確認しました。

その結果、患者様には冷えによって症状が悪化する傾向がみられたため、東洋医学の考え方に基づき、身体を温めることを目的とした施術を行いました。

施術では、

  • お腹や下半身の冷えを和らげる施術
  • 東洋医学で「脾」の働きを整えることを目的とした施術
  • 全身の血流を促し、冷えを改善するための施術

を中心に実施しました。

また、ご自宅でも毎日お灸を継続していただき、施術とセルフケアを組み合わせながら経過をみていきました。


下痢について

下痢とは

下痢とは、通常よりも水分を多く含んだ便が繰り返し排出される状態をいいます。一般的には、水様便や泥状便が続く状態を指します。

下痢は数日で改善する急性下痢と、4週間以上続く慢性下痢に分けられます。今回の患者様のように30年間続いている場合は慢性下痢に該当します。

慢性下痢の原因は一つではありません。感染症以外にも、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患、薬剤の影響、消化吸収障害、甲状腺機能亢進症など、さまざまな疾患が関係することがあります。そのため、長期間続く下痢では、まず医療機関で原因を確認することが重要です。

また、慢性的な下痢では、水分や電解質が失われやすくなるため、脱水や体重減少、栄養状態の低下につながる場合があります。便の状態だけでなく、体重変化や発熱、血便などの有無も重要な確認事項になります。

下痢が長く続く場合は、「体質だから」と自己判断せず、原因を確認したうえで適切な対応を行うことが大切です。


下痢の症状原因

下痢は腸の動きが活発になりすぎたり、腸から十分に水分が吸収されなくなったりすることで起こります。

原因としては、感染性胃腸炎のような感染症のほか、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、食物不耐症、薬剤の副作用、内分泌疾患などが知られています。

また、心理的ストレスが症状の悪化に関係することもあり、特に過敏性腸症候群では、ストレスによって腸の運動や知覚が変化し、腹痛や下痢を繰り返すことがあります。

一方で、冷たい飲食物や体の冷えによって「下痢になる」と感じる方も少なくありません。冷えによって腸の動きが変化し、一時的に症状が出ることはありますが、冷えそのものが慢性下痢の原因であることを示す十分な医学的根拠はありません。

今回の患者様では、「冷えると症状が悪化する」という経過が確認されていました。そのため、症状を悪化させる要因の一つとして冷えに着目し、生活環境も含めて身体を冷やさない工夫を取り入れながら施術を進めました。

慢性下痢では原因が複数重なっていることも少なくないため、まずは医療機関で重大な疾患がないことを確認したうえで、自分に合った対策を継続することが重要です。


下痢のときにやってはいけないこと

慢性下痢が続いているときは、自己判断だけで対処を続けることはおすすめできません。

まず避けたいのは、血便、高熱、急激な体重減少、強い腹痛があるにもかかわらず受診を遅らせることです。このような症状は重い病気が隠れている可能性もあるため、早めの医療機関受診が必要です。

また、市販の止瀉薬(下痢止め)を長期間自己判断で使い続けることも注意が必要です。原因によっては適さない場合があり、感染性の下痢では症状を長引かせる可能性もあります。

さらに、水分補給を控えることも避けましょう。下痢では体内の水分と電解質が失われるため、脱水予防のためにも適切な水分補給が重要です。

アルコールや刺激物、脂肪分の多い食事などで症状が悪化する方は、それらを控えることも有効です。ただし、食事内容による影響には個人差があるため、自分にとって悪化しやすい食品を把握することが大切です。

慢性的な下痢が続く場合には、原因を明らかにしたうえで、医師の診断や必要な治療を受けることが基本となります。そのうえで生活習慣を見直し、継続的に体調を管理していくことが重要です。


治療結果と経過

施術は週2回のペースで開始しました。

同時に、ご自宅でも毎日お灸を続けていただき、施術とセルフケアを組み合わせながら経過を確認しました。

施術期間は約2か月でした。

経過を追う中で少しずつ下痢の回数が減り、腹痛も軽くなっていきました。

最終的には下痢の症状はみられなくなり、ご本人も安心して日常生活を送れるようになりました。

※本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。症状や改善までの期間には個人差があります。


担当者からのメッセージ

下痢が長期間続く場合は、「体質だから仕方ない」と思われる方も少なくありません。しかし、慢性下痢にはさまざまな原因があるため、まずは医療機関で必要な検査を受けることが大切です。

今回の患者様も30年間症状に悩まれていましたが、継続的な施術と毎日のセルフケアに取り組んでいただくことで、経過に変化がみられました。

当院では、症状だけを見るのではなく、生活習慣や体調の変化を丁寧に伺い、一人ひとりに合わせた施術方針をご提案しています。

長く続く下痢や冷えによる不調でお悩みの方は、まずは医療機関で原因を確認したうえで、お気軽にご相談ください。一緒に現在の体調を整理しながら、改善を目指す方法を考えていきます。