ブログ

生理痛・PMSの東洋医学概説

― 「気・血」のバランスから体質を見極める ―

毎月の月経前後に、

・下腹部の痛み
・腰の重だるさ
・イライラや落ち込み
・むくみや頭痛
・強い眠気やだるさ

といった症状に悩まされていませんか。

検査では大きな異常が見つからない。けれど、確かに毎月つらい。鎮痛剤を飲めば一時的には楽になるものの、根本的な改善には至らない。このような状態を、東洋医学では「体質の偏り」として捉えます。

東洋医学の基本は、「気(き)」と「血(けつ)」の働きと巡りです。気は身体を動かすエネルギー、血は全身を滋養する栄養のような存在と考えます。この気と血のバランスが崩れることで、生理痛やPMSが起こると考えられています。

ここでは代表的な三つのタイプについて解説いたします。


気滞血瘀(きたいけつお)タイプ

― ストレスと巡りの停滞が関係するタイプ ―

気滞血瘀とは、気の巡りが悪くなることで血の流れも滞ってしまう状態をいいます。

特に、
・仕事や家庭でのストレス
・感情を抑え込むことが多い
・緊張が続いている

といった方に多く見られます。

主な特徴

・月経前にイライラしやすい
・怒りっぽくなる、気分の波が大きい
・胸や脇が張る
・下腹部が張るように痛む
・押すと痛みが強くなる
・経血に塊が混じる

気が滞ると、血もスムーズに流れません。血流が滞ると「痛み」が生じます。東洋医学では「不通則痛(通らざれば則ち痛む)」という言葉があります。流れが悪いと痛む、という意味です。

このタイプの痛みは、キリキリというよりも、張って苦しい、押さえると響くような痛みが特徴です。

当院では、問診で精神状態や生活環境も丁寧に伺います。さらに、脈の張りや腹部の硬さを確認し、巡りの滞りを判断します。施術では、過度な緊張をゆるめ、骨盤内の循環を促すことを目的とします。

単に痛みを抑えるのではなく、「巡れる身体」に整えていくことが大切です。


寒凝血瘀(かんぎょうけつお)タイプ

― 冷えが強く関係するタイプ ―

寒凝血瘀とは、冷えによって経脈が収縮し、血流が悪くなる状態です。

身体が冷えると血管や筋肉は収縮します。その結果、骨盤内の血流も滞り、強い痛みが出やすくなります。

主な特徴

・月経中の下腹部の冷たい痛み
・温めると楽になる
・経血が紫暗色
・血塊が多い
・腰や足の冷えが強い
・冬場に悪化しやすい

冷えによる痛みは、「温めると軽減する」という特徴があります。逆に、冷たい飲み物や薄着によって悪化することもあります。

このタイプは、体質的に冷えやすい方に多く見られます。日常的な冷たい飲食、エアコン環境、薄着などが影響している場合もあります。

当院では、腹部や腰部の冷えの状態を触れて確認します。脈が沈んで弱い場合や、お腹がひんやりしている場合は、冷えの影響が強いと判断します。

施術では、身体の芯を温めることを重視します。お灸を用いることもあります。外から温めるだけではなく、内側から温まりやすい体質へと整えることが重要です。

冷えが改善すると、経血の色や塊の状態も徐々に変化していきます。


気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ

― 体力・栄養不足型 ―

気血両虚とは、気虚(エネルギー不足)と血虚(栄養不足)が同時に存在する状態です。

原因

・長期にわたる出血
・過労
・睡眠不足
・もともとの虚弱体質

主な特徴

・月経後にじんわりとした下腹部の痛み
・経血が淡く薄い
・疲れやすい
・立ちくらみ
・顔色が白い
・動悸や不安感

このタイプの痛みは「不足」によるものです。巡りが悪いというよりも、そもそも気と血が足りない状態です。

そのため、無理を続けると回復に時間がかかります。月経後に体調を崩しやすい方は、このタイプが疑われます。

当院では、脈の弱さや腹部の柔らかさ、筋肉の緊張の少なさなどを確認し、全体的な体力の状態を見極めます。施術では、胃腸の働きを整え、気血を補う方向で進めます。

強い刺激ではなく、身体に負担をかけない穏やかな施術を行い、回復力を引き出していきます。


同じ生理痛でも原因は異なる

生理痛やPMSは一つの原因で起こるわけではありません。

・巡りが悪いのか
・冷えているのか
・不足しているのか

見極めを誤ると、思うような改善は得られません。

当院では、

  1. 丁寧な問診
  2. 脈診
  3. 腹診
  4. 全身の触診

を行い、体質を総合的に判断します。

西洋医学的な視点も踏まえながら、東洋医学の理論で体質を整理します。感覚だけではなく、身体の反応をもとに施術方針を決めていきます。


体質改善の目安

慢性的な生理痛やPMSは、長年の体質の積み重ねによるものです。

まずは週1回程度から施術を行い、状態を確認します。その後、改善に応じて間隔を調整していきます。

大切なのは、痛みが出たときだけ整えるのではなく、月経周期全体を安定させることです。

生理痛が軽くなるだけでなく、

・気分の安定
・冷えの改善
・疲れにくさ
・睡眠の質向上

といった変化も期待できます。


最後に

生理痛やPMSは「仕方がないもの」と思われがちです。しかし、それは身体のバランスが崩れているサインでもあります。

毎月くり返す不調は、身体からのメッセージです。

東洋医学では、痛みそのものだけでなく、その背景にある体質に目を向けます。

「鎮痛剤に頼り続けている」
「年齢とともに悪化している気がする」
「冷えや疲れも同時にある」

そのような方は、一度体質から見直してみませんか。

当院では、やさしい刺激で身体のバランスを整え、無理のない改善を目指します。

毎月を少しでも楽に過ごせるように。
あなたの身体に合った施術を、丁寧に行っていきます。