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冬の血行不良と「瘀血」|寒さが身体に与える影響を東洋医学から考える

冬になると、毎年のように

  • 手足が冷える
  • 身体がこわばって動きにくい
  • 肩こりや腰痛が悪化する
  • 生理痛が重くなる

といった不調を感じる方が増えてきます。

「寒いから仕方ない」
「年齢のせいかもしれない」

そう思いながら、同じ不調を毎年繰り返してはいないでしょうか。

東洋医学では、こうした冬特有の血行不良や痛みの背景に、
「瘀血(おけつ)」
という状態が関係していると考えます。
特に冬は、**寒さによって引き起こされる瘀血=寒凝血瘀(かんぎょうけつお)**が起こりやすい季節です。


東洋医学で考える「瘀血」とは何か

東洋医学では、健康な身体とは
「気・血・水」が滞りなく巡っている状態
であると考えます。

この中で「血」は、

  • 筋肉や内臓に栄養を届ける
  • 身体を温める
  • 組織を柔らかく保つ

といった働きを担っています。

しかし、何らかの原因によって血の流れが悪くなり、
体内に停滞した状態を**「瘀血」**と呼びます。

瘀血があると、

  • 押すと強い痛みが出る
  • 夜になると痛みが増す
  • 冷えると症状が悪化する
  • 同じ場所に痛みや不調が続く

といった特徴がみられることが多くなります。


冬に起こりやすい「寒凝血瘀」の仕組み

寒凝血瘀とは、
人体が寒さを感受することで、血の循環が阻害されて起こる瘀血のことです。

寒さを感じると、身体は熱を逃がさないように

  • 血管を収縮させる
  • 筋肉を緊張させる

という反応を起こします。

この反応自体は、生きるために必要な防御反応です。
しかし、この状態が長く続くと、
血の流れが悪くなり、筋肉や関節、内臓の周囲で血が滞ってしまいます。

東洋医学では、
「寒は凝らせる」
という考え方があり、寒さには血や気を停滞させる性質があるとされています。

その結果、

  • 筋肉が攣縮(けいれんのように縮む)
  • 関節が動かしにくくなる
  • 痛みが固定される

といった状態が起こりやすくなります。


温める力が弱まることで起こる問題

寒さを強く受けると、身体の
「温める力」
そのものが抑えられてしまいます。

すると、血は本来巡るべき四肢や末端まで行き渡らず、
体の深部や下半身、骨盤周囲に滞りやすくなります。

これが、

  • 手足の冷え
  • 下腹部の冷え
  • 腰やお尻の重だるさ

につながっていきます。

特に、冷えやすい体質の方、運動量が少ない方は、
寒凝血瘀が起こりやすい傾向があります。


月経期・産後に寒凝血瘀が起こりやすい理由

寒凝血瘀は、
月経期や産後
といった時期にも起こりやすいとされています。

これらの時期は、骨盤内で血の動きが大きく変化します。
そこに寒さを感受すると、
寒さが骨盤内臓に滞り、血の巡りをさらに妨げてしまいます。

その結果、

  • 生理痛が強くなる
  • 生理血に塊が混じる
  • 下腹部や腰の冷えが続く
  • 生理周期が乱れる

といった症状があらわれることがあります。

冬場に生理痛が悪化する方は、
寒凝血瘀の影響を受けている可能性があります。


寒凝血瘀によく用いられるツボ

三陰交(さんいんこう)

三陰交は、
内くるぶしの中心から指幅4本ほど上がったところ
すねの骨の後ろのふちに位置します。

押してみると、

  • ズーンと響く
  • 痛みや強い圧痛がある

と感じる方も少なくありません。

三陰交は、

  • 血の巡りを整える
  • 冷えを和らげる
  • 骨盤周囲や下腹部の不調を整える

といった目的で、寒凝血瘀のケアによく使われます。


血海(けっかい)

血海は、
膝蓋骨の内側、上端角から指幅3本ほど上がったところにあります。

「血の海」という名前の通り、
血の状態を整える代表的なツボです。

血の滞りがある方では、
押したときに痛みや違和感が出やすい傾向があります。

  • 冷えと痛みが同時にある
  • 生理に関する不調がある
  • 冬になると症状が悪化する

といった方によく反応がみられます。


鍼灸で行う寒凝血瘀への考え方

寒凝血瘀に対する鍼灸では、
単に血行を促すだけでなく、
なぜ血が滞ったのか
どこで冷えが起きているのか
を丁寧に確認します。

  • 冷えの入り口はどこか
  • 筋肉の緊張が強い部位はどこか
  • 全身の巡りはどうなっているか

これらを総合的にみながら施術を行います。

鍼灸では、
身体を内側から温め、血の巡りを妨げている緊張をゆるめることで、
自然な循環を取り戻すことを目指します。


冬の不調を繰り返さないために

寒凝血瘀による不調は、
一度良くなっても、冷えを繰り返すことで再発しやすい特徴があります。

  • 毎年冬になると同じ症状が出る
  • 冷えと痛みがセットで起こる
  • 年々、症状が重くなっている

こうした場合は、
その場しのぎではなく、体質から整えていく視点が大切です。

鍼灸では、
その方の冷え方、生活習慣、体力に合わせた施術を行うことができます。


まとめ|冬の血行不良は身体からのサイン

冬の血行不良や瘀血は、
単なる「寒さ」だけの問題ではなく、
身体の巡りが滞っているサインとも考えられます。

  • 冬になると不調が出やすい
  • 冷えと痛みが気になる
  • 生理や下腹部の不調が続いている

このようなお悩みがある方は、
早めに身体を整えていくことが大切です。

気になる症状がありましたら、
お気軽にご相談ください。