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問診・触診(脈診)・舌診を重視する理由

〜身体の声を丁寧に聞くことが、的確な施術につながります〜

当院では、施術に入る前の「問診」「触診(脈診・腹診など)」「舌診」をとても大切にしています。
「早く鍼を打ってほしい」「痛みをとってほしい」と思われる方も多いのですが、実は**施術の結果を左右するのは“どこにどんな原因があるかを見極めること”**です。
東洋医学では、症状の“奥にある体の状態”を丁寧に読み取ることで、根本的な改善につなげていきます。


🗣️ 問診(もんしん)で見える「体の背景」

まず行うのが問診です。
問診では、今ある症状だけでなく、生活習慣・食事・睡眠・ストレス・体質の傾向などを伺います。
たとえば同じ「肩こり」でも、

  • ストレスによる「気滞(きたい)」タイプ
  • 血の巡りが悪い「瘀血(おけつ)」タイプ
  • 体力低下による「気虚(ききょ)」タイプ

と、原因は人によってまったく異なります。
このような体質の違いを見極めるために、問診では一見関係なさそうな質問もさせていただきます。
「最近眠れていますか?」「食欲はありますか?」「冷えは感じますか?」といった質問は、体のエネルギーの流れを読み取る大切な手がかりなのです。


触診(しょくしん)で感じ取る「体のリアルな反応」

次に行うのが触診です。
触診では、皮膚の温度・筋肉の張り・お腹の硬さ・経絡の流れを指先で感じ取ります。
特に重要なのが「脈診(みゃくしん)」です。

脈診では、手首の3か所に軽く指を当てて、脈の速さ・強さ・深さ・リズムを確認します。
これは単なる血流チェックではなく、内臓の働きや体全体のバランスを知るための東洋医学独自の診察法です。

たとえば、

  • 脈が細く弱い → 「気血不足」や「冷え」
  • 脈が速い → 「熱」や「ストレス過多」
  • 脈が沈んでいる → 「体力低下」や「水分の滞り」

といったように、脈の状態から多くの情報が読み取れます。
また、お腹(腹診)を軽く押して反応をみることで、胃腸の状態や自律神経の緊張具合も確認できます。


👅 舌診(ぜっしん)でわかる「内臓の状態と体のバランス」

舌は「体の鏡」といわれるほど、内臓の状態をよく映し出します。
東洋医学では舌の色・形・苔(こけ)・潤い具合を観察し、体のバランスを判断します。

  • 舌の色が淡い → 「血虚(けっきょ)」や「気虚」
  • 赤く乾いている → 「熱」や「陰虚」
  • 紫がかっている → 「瘀血(おけつ)」
  • 白い苔が厚い → 「湿気」や「冷え」
  • 黄い苔が厚い → 「熱」や「消化機能の滞り」

このように舌の状態から、体の中で起きていることを直接見られるのが舌診の強みです。
問診や脈診と合わせて判断することで、より的確に体の状態をつかむことができます。


🔍 三つの診察を組み合わせる理由

問診・触診・舌診のそれぞれは単体でも大切ですが、
これらを組み合わせて総合的に判断することで、はじめて正確な施術方針が立てられます。

たとえば、
「肩こり」と「不眠」が同時にある場合でも、

  • ストレスによる“気滞型”か
  • 冷えによる“血行不良型”か
  • 胃腸の疲れによる“気虚型”か

によって、使うツボ・施術の流れ・刺激の強さがまったく違ってきます。
そのため、当院では「どこが痛いか」だけでなく、なぜそこが不調を起こしているのかを見極めることを何より重視しています。


💡 一人ひとりに合った“オーダーメイド施術”へ

このようにして得られた情報をもとに、体質や症状に合わせたオーダーメイドの施術を行います。
同じ症状でも、原因が違えば鍼を打つ場所や刺激量は異なります。
「この方には深く刺さない方がよい」「この経絡を温めた方がよい」といった判断を、脈や舌、体の反応を見ながら丁寧に進めていきます。

結果として、体に負担をかけず自然に回復していく流れをつくることができます。
当院の施術が「ソフトなのに効果を感じる」と言われる理由も、こうした繊細な診立てにあります。


🌱 まとめ:身体の声を聞くことが、最良の施術への第一歩

現代では「検査で異常がないのに不調がある」という方が増えています。
そんなときこそ、身体の声を丁寧に聴く東洋医学的アプローチが大切です。

問診・脈診・舌診は、目に見えない部分のサインを見逃さないための大切な手がかり。
それらを通して体の内側のバランスを整えることで、症状の根本改善と再発予防につなげていきます。


当院では…

初回の施術前に、じっくりと問診・触診・舌診を行います。
「何となく不調が続く」「原因がわからないけどつらい」
そんな方も、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの身体の声を丁寧に読み取り、最適な施術をご提案いたします。