― 自律神経の乱れと「血虚」体質を整える鍼灸 ―
「夜中に何度も目が覚める」
「眠っているのに疲れが取れない」
「2月になると毎年、眠りが浅くなる」
このようなお悩みはありませんか。
2月は、不眠のご相談が増える時期です。
寒さが厳しい一方で、日中は少し春の気配を感じる日もあり、寒暖差が大きくなります。この環境の変化が、自律神経に大きな負担をかけています。
しかし、2月の不眠を東洋医学の視点でみると、もう一つ大切な原因があります。
それが「血虚(けっきょ)」です。
今回は、2月の眠りの浅さを「血虚」という体質に絞って、詳しく解説いたします。
寒暖差が続く2月と自律神経の緊張
私たちの身体は、寒さを感じると体温を守るために血管を収縮させます。このとき働くのが交感神経です。
交感神経は活動・緊張を担当する神経です。
寒暖差が大きい2月は、
・朝晩の冷え込み
・暖房と外気の温度差
・気圧の変動
などによって、交感神経が頻繁に刺激されます。
本来、夜になると副交感神経が優位になり、身体はリラックスして眠りに入ります。しかし、日中に過度な緊張が続くと、夜になってもスイッチがうまく切り替わりません。
その結果、
・寝つきが悪い
・眠りが浅い
・途中で目が覚める
といった状態になります。
ここまでは「自律神経の乱れ」の話ですが、なぜ同じ寒暖差でも眠れる人と眠れない人がいるのでしょうか。
その差を生むのが体質です。
血虚とは何か
血虚とは、全身の血が不足し、その栄養作用が低下している状態です。
東洋医学でいう「血」は、単なる血液量だけではありません。
身体を滋養し、精神を安定させる働きを持つ重要な存在です。
血が十分にあると、
・肌や髪にうるおいがある
・精神が安定している
・眠りが深い
という状態が保たれます。
一方、血が不足すると、
・眠りが浅い
・夢を多く見る
・動悸がする
・目の疲れやかすみ
・顔色が白っぽい
・爪が割れやすい
といった症状が現れます。
血虚の特徴は、局所的な強い痛みが目立つわけではないという点です。
なんとなく疲れている、なんとなく眠れない。
はっきりしない不調が続くのが特徴です。
なぜ血虚だと眠りが浅くなるのか
東洋医学では、「血は心を養う」と考えます。
心とは精神活動をつかさどる部分です。
血が十分に巡っていれば、心は安定し、自然に眠りへ入ります。
しかし血虚になると、
・精神が落ち着かない
・考えごとが止まらない
・ちょっとした物音で目が覚める
といった状態になりやすくなります。
つまり、血虚は「眠りの土台」が不足している状態なのです。
2月は寒さによって血流が滞りやすく、もともと血が不足している方はさらに影響を受けます。その結果、眠りの浅さが強く出やすくなります。
血虚体質の方にみられる傾向
当院で不眠のご相談を受ける方の中には、
・日中も疲れやすい
・立ちくらみがある
・目の奥が重い
・肌の乾燥が気になる
・冷えを感じやすい
といった症状を同時に抱えている方が少なくありません。
これは、血虚によって全身の滋養が不足している状態と考えられます。
寒暖差という外からの刺激に対して、内側の余力が足りない。その結果、自律神経が乱れやすくなるのです。
やさしい鍼灸で整える理由
血虚の方に強い刺激を与えると、かえって疲労が増すことがあります。
そのため当院では、身体に負担をかけないやさしい鍼灸を行います。
施術では、
・首肩の緊張をゆるめる
・血の巡りを整える
・不足している血を補う
・自律神経の切り替えを助ける
という流れで整えていきます。
施術後に「身体が温かい」「呼吸が深くなった」と感じる方が多いのは、血の巡りが改善しているサインです。
血虚に用いる代表的なツボ
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの中心から、指幅4本ほど上がったところです。骨のふちを押すと圧痛があります。
三陰交は、血を補い、巡りを整える大切なツボです。
血虚体質の方には欠かせません。
夜、ゆっくり呼吸しながらやさしく押すことで、眠りに入りやすくなります。
神門(しんもん)
手のひらを上にして、手首の小指側手前にある骨の出っぱりと、手首の間にある深みの中にあります。
神門は精神を落ち着かせるツボです。
緊張や不安をやわらげ、心を穏やかにします。
改善までの流れ
血虚による不眠は、体質を整えることで少しずつ変化します。
① 丁寧な問診で生活習慣や疲労度を確認
② 脈やお腹の状態から血の不足を把握
③ 体質に合わせた施術
④ 食事や生活のアドバイス
初期は週1回を目安に整え、身体の土台を作ります。
徐々に眠りが深くなり、朝の目覚めが変わってきます。
2月の不眠は、身体からのサイン
眠れないことを「年齢のせい」「忙しいから仕方ない」と我慢していませんか。
2月の眠りの浅さは、
寒暖差による自律神経の負担と、血虚という体質が重なって起こることがあります。
薬で一時的に抑えるのではなく、血を養い、巡りを整えることで、自然に眠れる身体へ近づきます。
やさしい鍼灸で、
眠れる身体の土台を整えていきませんか。
2月の不眠でお悩みの方は、どうぞご相談ください。
身体を整えることが、深い眠りへの第一歩です。






