70代の男性患者さんの腰痛に関する治療事例をご紹介いたします。患者さんは左腰の痛みにより目が覚め、起きると痛みが消えるという症状を訴えています。数十年前の交通事故で骨盤を痛めた経験があります。
【治療の流れ】
- 問診: 初めに患者さんの症状や過去の経歴について詳しくお聞きしました。朝の腰痛や以前の交通事故の影響などを確認しました。
- 触診: 腰部の状態や腹診、脈診で身体の状態を調査しました。
- 治療: 腰痛の改善を目指して、鍼灸治療を行いました。局所的な治療だけでなく、全身のバランスを整えるアプローチも取り入れました。
- 治療の結果確認: 治療後、腰痛の変化を確認しました。症状の改善に焦点を当てました。
- セルフケアのアドバイス: 日常生活でのセルフケアや予防策についてアドバイスを提供しました。適切な姿勢や運動の重要性を説明しました。
【治療内容のポイント】 ・ 過去の怪我の影響: 交通事故の影響が瘀血の原因と考えられました。瘀血は古典に「日中軽く夜重きは瘀血なり」という言葉が載っており、朝の痛みがそれを示唆しています。 ・ 全身のバランスを整えるアプローチ: 局所的な治療だけでなく、全身のバランスを整える治療が症状の改善に有効であることが示唆されます。
瘀血とは
体内で血液が滞留し、凝固して流れが悪くなった状態を指します。東洋医学では、瘀血は血液の流れが滞っていることで、身体の様々な不調や症状を引き起こす原因の一つと考えられています。瘀血は、外傷や経過した古い傷跡、ストレス、不適切な生活習慣などによって引き起こされることがあります。瘀血の状態では、局所的な腫れや痛み、硬さが現れることがあります。また、瘀血は時間の経過とともに症状が悪化する傾向があり、治療を行わないと慢性化することがあります。
【治療の効果】 3回の治療を経て、患者さんの朝の腰痛が改善されました。患者さんは日常生活での運動や姿勢に気を付けることで、症状の改善を維持しています。
【考察】 ・ 過去の怪我の影響: 過去の怪我が腰痛の原因となることがあります。瘀血は古典的な文献によれば夜間に重くなる傾向があり、朝の痛みはそれを示唆しています。 ・ 全身のバランスを整えるアプローチ: 局所的な治療だけでなく、全身のバランスを整える治療が症状の改善に有効であることが示唆されます。
この治療事例は、問診や触診による正確な診断を通じて、鍼灸治療が腰痛の改善に有効であることを示しています。皆様のお悩みに合わせた個別のアプローチやセルフケアの重要性が強調されています。