1.患者様の悩み・施術内容
40代女性の患者様が、「1年前から続く胃痛」を主訴に来院されました。
特に空腹時に痛みが強くなり、食事を摂ると一時的に軽減するという特徴がありました。また、軟便傾向、息切れ、疲れやすさ、精神的な疲労感も伴っており、日常生活の中で慢性的な不調を感じておられました。
さらに、冷たい飲食物を摂取すると胃痛が悪化する傾向があり、体の内側の冷えや消化機能の低下も疑われる状態でした。
当院では、まず丁寧な問診と触診を行い、胃の不調だけでなく全身状態を確認しました。その結果、東洋医学的には「脾胃(消化吸収を担う働き)」の機能低下が関与している可能性を考え、施術を進めました。
施術では、脾胃を温めながら働きを整えることを目的とし、体に負担の少ないやさしい鍼灸施術を行いました。強い刺激ではなく、身体の反応を確認しながら段階的に整えていく方法を採用しています。
2.症状の情報
胃痛とは:
胃痛とは、みぞおち周辺に感じる痛みや不快感の総称であり、食事との関係や痛みの出るタイミングによって原因が異なることが知られています。特に空腹時に痛みが強くなり、食事によって軽減する場合は、胃酸の分泌や胃粘膜の状態が関与しているケースが多いとされています。医学的には、機能性ディスペプシアや胃炎などが鑑別に挙げられますが、検査で明確な異常が見つからない場合でも症状が続くことがあります。こうした状態では、消化管の運動機能や知覚過敏、自律神経の影響などが関係していると考えられています。本症例のように、慢性的に症状が続く場合には、局所だけでなく全身の状態を含めて評価することが重要です。
・胃痛の症状原因:
慢性的な胃痛の原因としては、胃酸分泌のバランス異常、胃の運動機能低下、自律神経の乱れなどが報告されています。特にストレスや疲労が長期間続くと、自律神経のバランスが崩れ、消化機能に影響を与えることが知られています。また、冷たい飲食物の摂取により胃腸の血流が低下し、一時的に消化機能が低下することもあります。東洋医学では、消化吸収の働きを「脾胃」が担うと考え、この機能が低下すると、食後の不調や軟便、疲労感などの症状が現れるとされています。本症例では、胃痛に加えて全身の疲れやすさや軟便がみられることから、消化機能の低下が関与している可能性が考えられました。
・胃痛の症状のときにやってはいけないこと:
慢性的な胃痛がある場合、冷たい飲食物の過剰摂取や不規則な食事は避けることが望ましいとされています。冷たいものは胃腸の血流を低下させ、消化機能に影響を与える可能性があります。また、空腹時間が長くなりすぎることも、胃酸の影響で症状が強くなる要因となることがあります。さらに、過度なストレスや睡眠不足も自律神経のバランスを乱し、症状の悪化につながるため注意が必要です。自己判断で刺激の強い対処法を行うのではなく、身体の状態を確認しながら適切なケアを行うことが大切です。
3.治療結果と経過
施術開始後の経過は以下の通りです。
・2回目の施術後:空腹時の胃痛が軽減
・5回目の施術後:胃痛はほぼ消失
・7回目の施術後:胃痛に加え、軟便や疲労感などの随伴症状も改善傾向
・9回目の施術後:胃痛および関連症状が落ち着いた状態
本症例では、継続的に施術を行うことで、胃の不調だけでなく全身の状態も徐々に整っていきました。結果として、9回の施術で症状は落ち着き、日常生活に支障のない状態となりました。
※症状の改善には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。
4.担当者からのメッセージ
胃痛は「胃だけの問題」と考えられがちですが、実際には疲労やストレス、生活習慣など全身の状態が影響していることも少なくありません。今回の症例でも、胃の症状とともに疲れやすさや軟便などがみられ、身体全体のバランスを整えることが重要でした。
当院では、問診と触診を重視し、その方の体の状態を丁寧に確認したうえで施術を行っています。強い刺激ではなく、身体に合わせたやさしい施術を行うことで、無理なく整えていくことを大切にしています。
慢性的な胃の不調でお悩みの方は、「年齢のせい」「体質だから」と諦めず、一度ご自身の身体の状態を見直してみることも大切です。日々の不調をそのままにせず、少しずつ整えていくことで、より快適な生活につながる可能性があります。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。






