20代男性の筋収縮性頭痛の症例紹介|1年続いた後頭部の痛みが6回の施術で改善したケース

1.患者様の悩み・施術内容

今回ご紹介するのは、1年ほど頭痛に悩んでいた20代男性の症例です。
主なお悩みは後頭部の痛みで、特に天気が悪い日仕事で長時間パソコンを使った時に症状が強くなる状態でした。痛みは一時的に強く出ることがあり、目の周辺に痛みを感じることもあったとのことです。

また、頭痛だけでなく、普段からめまいがあること耳鳴り食欲不振といった不調もみられました。頭痛が長く続くと、仕事への集中力が落ちたり、日常生活の中でも「また痛くなるのではないか」と不安になったりすることがあります。この患者様も、頭痛そのものに加えて、体調全体がすっきりしないことに悩まれていました。

来院時には、頭頚部から肩まわりにかけて筋肉の緊張がみられ、頭痛の起こり方や日常生活での増悪要因からも、筋肉の緊張が大きく関係している状態が考えられました。そこで施術では、まず首・肩・頭まわりの過緊張をやわらげることを中心に行い、局所の循環を整えながら頭痛の改善を目指しました。

さらに、この方には食欲不振もみられたため、頭痛だけを局所的にみるのではなく、消化機能の低下にも配慮した施術を同時に行いました。身体はひとつながりですので、頭のつらさだけに注目するのではなく、その時にみられる全身の状態も確認しながら施術を進めていくことが大切です。

今回の症例では、痛みのある部位を中心に、血流を促しやすいツボを活用しながら、筋肉の緊張をゆるめ、身体全体の状態を整えていく方針で施術を行いました。


2.患者様の症状の説明

この患者様の頭痛は、筋収縮性頭痛の特徴がみられるものでした。筋収縮性頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みというよりも、頭をしめつけられるような痛みや、重だるい感じが続く頭重感として現れることが多い頭痛です。慢性的に続くこともあり、首や肩のこりをともなうケースも少なくありません。

今回の患者様も、後頭部を中心とした痛みを訴えており、長時間のパソコン作業で悪化しやすいという特徴がありました。パソコン作業では、画面を見る姿勢が続くことで首や肩に負担がかかりやすく、同じ姿勢が長く続くと筋肉が緊張しやすくなります。その結果、頭痛が起こりやすくなることがあります。

また、筋収縮性頭痛では、頭頚部や肩の筋肉に張り、硬さ、押した時の痛みがみられることがあります。こめかみや首肩など、緊張している部分を押した時に「少し気持ちがよい」と感じる場合があるのも、ひとつの特徴です。これは、筋肉の緊張が頭痛に関係していることを示す状態のひとつと考えられます。

さらに、この患者様には、めまいや耳鳴り、食欲不振もみられました。こうした症状があると、「頭だけの問題ではないのでは」と不安になる方もいらっしゃいます。実際には、頭痛が続いている時には首肩まわりの緊張だけでなく、疲労の蓄積や体調全体の乱れが重なっていることもあります。そのため、施術にあたっては頭痛の強さだけでなく、どのような場面で悪化するか、ほかにどのような不調をともなっているかを丁寧に確認することが重要です。


3.患者様の症状の原因

この症例でみられた頭痛は、頭蓋部や頚部の持続的な筋収縮によって起こるタイプの頭痛と考えられる状態でした。筋肉が緊張した状態が続くと、その周囲の循環が滞りやすくなり、重だるさや締めつけ感として頭痛が現れやすくなります。

患者様は、パソコンを使う仕事をしており、作業後に頭痛が増強する傾向がありました。長時間のデスクワークでは、無意識のうちに頭が前に出た姿勢になったり、肩に力が入った状態が続いたりしやすくなります。こうした状態が重なると、首から肩、後頭部にかけての筋肉が緊張しやすくなり、頭痛が出やすくなることがあります。

また、天気が悪い日に症状が強くなるという点もありました。気圧や天候の変化そのものについて断定はできませんが、この患者様では天気の悪い日に痛みが増強するという経過が実際にみられていました。そのため、施術では、日常的な筋緊張に加え、体調変化の影響を受けやすい身体の状態も含めて整えていく必要がありました。

さらに、食欲不振がみられていたことから、身体全体の調子が落ちていることも考えられ、局所だけでなく全身状態にも配慮した施術が必要でした。頭痛がある時には、痛みへの対処だけに意識が向きがちですが、実際には首肩の緊張、疲労、生活環境、消化機能の低下など、複数の要因が重なっていることがあります。今回も、そうした背景をふまえて施術を進めました。


4.施術の経過と結果

初回の施術では、頭頚部から肩にかけての筋緊張をやわらげ、後頭部周囲の循環を整えることを中心に行いました。あわせて、消化機能の低下もみられたため、全身状態にも配慮しながら施術を実施しました。1回目の施術後には、後頭部の痛みの軽減がみられました。

その後も継続して施術を行い、3回目には食欲不振の改善がみられました。頭痛だけでなく、来院時にみられていた付随症状にも変化が出てきたことから、身体全体の状態が少しずつ整ってきたと考えられる経過でした。

4回目の時点では、多忙のためパソコン作業が増え、頭痛を感じる場面がありました。 ただし、この時も施術後には改善がみられました。仕事による負担が強い時には一時的に症状が出ることがありますが、その都度身体の状態を確認しながら施術を重ねていくことで、回復しやすい状態を目指していきました。

その後も施術を継続し、6回目で症状は治癒という経過となりました。今回の症例では、1年ほど続いていた頭痛に対して、首肩まわりの過緊張をゆるめ、局所の循環を整えながら、あわせて消化機能にも配慮した施術を行うことで、症状の改善につながりました。

なお、頭痛の経過や改善の仕方には個人差があります。本症例はあくまで一例であり、すべての方に同じ経過が当てはまるものではありません。ただ、頭痛が長引いている場合でも、頭だけでなく首肩の状態や生活背景、全身の不調まで含めて確認しながら施術を進めることの大切さが分かる症例であったといえます。


5.担当者からのメッセージ

頭痛が長く続くと、「いつまでこの状態が続くのだろう」と不安になる方は少なくありません。特に、仕事でパソコンを使う時間が長い方は、首や肩に負担がかかりやすく、頭痛が慢性化しやすい傾向があります。

今回の患者様も、後頭部の痛みだけでなく、めまいや耳鳴り、食欲不振など、いくつかの不調を同時に抱えて来院されました。そのため、痛い場所だけを見るのではなく、筋肉の緊張の状態や日常生活での負担、身体全体の調子も含めて確認しながら施術を行いました。

鍼灸では、つらい部分への対応はもちろんですが、身体全体のバランスをみながら整えていくことを大切にしています。頭痛があるからといって、必ずしも原因が頭だけにあるとは限りません。首肩のこり、姿勢の負担、疲労の蓄積、食欲の低下など、周辺の状態を丁寧にみていくことが、結果として改善への近道になることがあります。

「慢性的な頭痛がある」「パソコン作業のあとに痛みが強くなる」「首肩のこりも一緒につらい」といったお悩みがある方は、一人で抱え込まず、早めにご相談ください。お身体の状態を確認しながら、無理のない形で施術方針をご提案いたします。安心して通っていただけるよう、丁寧な説明と誠実な対応を心がけています。